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台湾で話題の同性愛小説が日本へ 「レズビアンが自殺しない物語を」

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「向日性植物」の著者の李屏瑤さん=光文社提供
「向日性植物」の著者の李屏瑤さん=光文社提供

 ひかれ合う少女たちの成長を描いて、台湾で大きな話題を呼んだ同性愛小説「向日性植物」の邦訳版が光文社から刊行された。揺れ動く10代、20代の心情をつづり、「私たちの物語」だとして女子高生を中心に、多くの読者を勇気づけた作品だ。著者の李屏瑤(へいよう)さんは「レズビアンが自殺しない話が書きたかった」と話す。【高橋咲子】

「自己の再確認として書き始め」

 主人公は台北の女子高に入学したばかりの「私」。先輩の小游と初対面で恋に落ちて付き合い始めるが、小游には元恋人の小莫がいた。台湾大に進学した3人。時はたち、台北で暮らす「私」に国際電話が入る――。

 著者は1984年、台北生まれ。登場人物と同じように台湾大に進学。卒業後は広告の仕事の傍ら、大学院で劇作を学んだ。その頃を振り返り、「ただでさえ社会に出ると現実との妥協が必要なのに、レズビアンであるとハードルがより高い」と話す。面接のときに「あなたはもしかして“アレ”ですか?」と聞かれた経験もある。「傷と挫折を経験し、なりたい自分との葛藤もあった。自己の再確認として、書き始めたのです」

 台湾最大規模のウェブ上の掲示板「PTT」で2011年から連載を開始。読者から出版を望む熱い声が寄せられたため、出版社に原稿を送ったところ、刊行が決まり、16年に本作でデビューした。

過去の「同志文学」に比べ明るい光

 台湾には「同志文学」というジャンルがある。性的少数者の文学を指し、特に戒厳令が解除された87年以降に活況を呈した。ゲイのコミュニティーを描いた白先勇著「孽子」(83年)、レズビアンであることの葛藤をつづる邱妙津著「ある鰐の手記」(94年)、同性の性愛を挑戦的に書く陳雪著「悪女の書」(95年)などが金字塔として知られ、90年代には文学賞を相次いで受賞するようになった。

 一方で社会がよりオープンになるなか、時代とそぐわない部分も多くなった。「だから、…

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