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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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銃撃され、失明も 死を覚悟し、顔覆わずに歩く女性たちの闘い

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点字の講師になるという目標に向け、盲学校で点字を練習するハシュミさん(左)と講師。学校に来ると「私にはできることがたくさんある」と思うという=インドの首都ニューデリーで2022年6月18日、川上珠実撮影
点字の講師になるという目標に向け、盲学校で点字を練習するハシュミさん(左)と講師。学校に来ると「私にはできることがたくさんある」と思うという=インドの首都ニューデリーで2022年6月18日、川上珠実撮影

 点字器をしっかりと両手で支え、1文字ずつ英語の点字でアルファベットを打ち込んでいく。「もうできたの?」。講師が声を掛けると笑みがこぼれた。インドの首都ニューデリーの盲学校の一室。「私にはできることがたくさんある。ここに来るとそう思うんです」。カテーラ・ハシュミさん(33)は取材中に初めて屈託のない笑顔を見せた。

 アフガニスタン東部ガズニ州の警察官だった。2020年6月、自宅前で武装した男3人に襲われた。男たちの手に銃を見て、とっさに逃げようとしたが、背後から撃たれて地面に崩れ落ちた。「体中から力が抜けて前に進めなくなった」

 意識を失い、目覚めると病室にいた。左脇から銃弾を取り除いたと言われた。真っ暗で何も見えず、痛みと恐怖で窒息しそうで叫んだ。医師から両目を刃物で傷つけられて失明したと聞かされた。

 子どもの頃から警官になりたかった。一家は、ソ連のアフガン侵攻(1979~89年)によってパキスタン北東部へ避難。ハシュミさんは14歳の頃まで同国のアフガン難民が多い集落で育った。

 9人きょうだいの長女のハシュミさんは、幼い弟妹の世話で忙しい母親の代わりに、「お姉さん」と慕う隣の家のアフガン人家庭の女性に遊んでもらった。家に行くとあめ玉やビスケットをくれた。しかし、お姉さんはよく体にあざを作って一人で泣いていた。夫や義理の両親に殴られるという。助けてくれる人がいないことが悲しかった。「警官になって泣いている女性を助ける」と心に決めた。

予兆を感じていた…

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【アフガン政権崩壊】

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