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私が思う日本

東京に駐在する外国メディアの特派員らが見た日本の姿を伝えます。

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「令和の鎖国」で失ったもの “開国”にみいだす希望

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入国制限が見直され、多くの外国人でにぎわう観光地=東京都台東区で2022年10月11日午後3時59分、和田大典撮影
入国制限が見直され、多くの外国人でにぎわう観光地=東京都台東区で2022年10月11日午後3時59分、和田大典撮影

 東京に駐在する外国メディア特派員らの目に、私たちの社会はどう映っているのだろうか。韓国、フランス、英国、バングラデシュ、シンガポールの個性豊かな記者たちがつづるコラム「私が思う日本」。第63回の執筆者は英誌エコノミストのデイビッド・マックニール元東京特派員。新型コロナウイルス対策で外国人の入国を制限したことで、日本が何を失ったのかについて考える。

 この夏、私は約3年ぶりに日本を出国し、3人の子どもたちと一緒に私の母国アイルランドに帰国した。世界中の多くの海外で暮らす人たちと同様に、新型コロナウイルスによって私は母国から締め出され、家族と会えなくなってしまった。そして、2020年10月、私の父が亡くなった時、4人の兄弟が病床に集まる中、私はスマートフォン越しに父に別れを告げた。

 日本は20年2月に新型コロナの感染が広がった後、外国人の入国を禁止する措置を始め、最終的にその規制はアイルランドを含む159カ国・地域に及んだ。その1年後も、全旅行者は指定されたホテルに宿泊し、宿泊してから3日目にはPCR検査を受け、14日間の自主隔離措置を求められた。私はこれだけの休みを取れなかったため、父の一周忌にも母国に帰れなかった。

 もちろん、世界中の何百万人もの人たちが同じような移動の制限に直面した。また、日本はどこよりもうまくコロナのパンデミック(世界的大流行)をしのいだ。日本では残念ながら4万6000人以上が新型コロナで亡くなったが、経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国の中で最も低い致死率だった。日本はアイルランドとは異なり厳しいロックダウン(都市封鎖)をすることなくやり遂げたのだ。

 それにもかかわらず、日本のいわゆる「水際対策」は民主主…

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