国会議員はうつ病でも休めない? 水道橋博士の活動休止で考える
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参院議員でれいわ新選組の水道橋博士氏(60)が深刻なうつ状態にあることを公表し、議員活動を休止すると発表した。体調を気遣う声が多い一方で、「休むなら辞めろ」との批判的な意見もある。病気になったら国会議員は務まらないのか。【佐野格、野口麗子】
山本代表「気づけず申し訳ない」
玉袋筋太郎さん(55)と漫才コンビ・浅草キッドを結成し、長年芸能界で活躍してきた水道橋博士氏は、れいわの山本太郎代表(47)の誘いを受け、今夏の参院選でれいわの比例代表候補として出馬。11万7794票を獲得し、初当選した。
10月上旬、国会で記者(佐野)が水道橋博士氏と言葉を交わした際には、内閣委員会での初質問に向けて「頑張りますよ」と意気込んでいた。ただ、当選以降の慣れない仕事で激務が続き、疲弊していたようだ。体調が悪化し、10月24日から休んでいたという。
山本代表は11月1日、水道橋博士氏について「60歳からの転職、初めての国会論戦に向けて大きなプレッシャーもあったでしょう。心身に大きな負担がかかっていたのだと思います。気づけなかったことに対して、私自身、申し訳なく思っています」などとコメントした。
水道橋博士氏は長年、うつ病に苦しんできたことを著書などで明かしている。当選前の5月、インターネット投稿プラットフォーム「note(ノート)」にも芸人生活で3度、うつ病を発症していたことを記している。
早稲田メンタルクリニック(東京都新宿区)の益田裕介院長は「うつ病は病気であって、甘えではありません。休んで治療するのが一番です」と説明する。患者の家族、周囲の人など「私の体感で2割の人が病気として、きちんと理解していない」と話す。
薬物治療だけでは不十分で、「仕事を続けていれば脳に自然と刺激や情報が伝わってしまう」とし、少なくとも3カ月間は仕事を休む必要があるとする。
山本代表や関係者によると、水道橋博士氏は辞職を申し出たが、医師の助言を受けて議員活動を休むことにしたという。
参議院規則に休職制度なし
ツイッターでは、水道橋博士氏の病状を心配する投稿が多い一方で、「休むなら辞めろ」「給料泥棒だろ」との声もある。
元参院事務局職員で、国会制度に詳しい同志社大の武蔵勝宏教授(立法政策過程論)は「議員も人間。休みは認められるべきでしょう」と水道橋博士氏の体調を案ずる。ただ、山本代表が「休職する」と説明したことについては、こう指摘する。
「正確には国会議員の制度上、休職はありませ…
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