冷凍食品が熱い 「昭和のバイアス」外れ需要拡大 SDGsにも?

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多彩な冷凍食品を並べる「明治屋ストアー」=神奈川県海老名市の「ViNA GARDENS PERCH」で2022年10月27日、宇田川恵撮影
多彩な冷凍食品を並べる「明治屋ストアー」=神奈川県海老名市の「ViNA GARDENS PERCH」で2022年10月27日、宇田川恵撮影

 冷凍食品が熱気に包まれている。各地で専用売り場が続々と新設・拡充され、刺し身から国際線の機内食まで商品は多彩化している。新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要を機に利用が拡大したが、最近は「食品ロスが少ない」と環境への配慮や値上げラッシュの対抗策としてのニーズも高まる。さらに「働き方を変える可能性がある」との声も出ており、これまでにない食の巨大マーケットに成長しそうな勢いだ。【宇田川恵】

「味は二の次」は過去の話

 ピカピカの大きなガラスケースには、本格中華として楽しめる「海鮮八宝菜」や本場の「札幌味噌ラーメン」をはじめ、各地から集めたとびきりの名産など400種類の商品がずらりと並ぶ。全国に店を持つ高級スーパー、明治屋ストアーは10月末、同社最大級の冷凍食品売り場を神奈川県海老名市の海老名駅前複合施設にオープンした。

 開店直後から予想を超える大盛況といい、連日大勢の客でにぎわう。全日本空輸などがコロナ禍による本業の不振を補おうと、機内食を冷凍食品化した商品などが人気で、まとめ買いする人もいるという。

 「かつて冷凍食品は、便利だが味は二の次というイメージが強かった。だが、コロナ禍を機にさまざまな企業がこぞって開発に力を入れ、本格的な料理や味のよい商品が増えた。一度食べたらおいしいと分かり、お客様がどんどん広がっている状況だ」と小売事業本部の佐藤健司・副部長は話す。

 東京都中央区の百貨店、松屋銀座の地下2階には客が絶えないコーナーがある。同店が8月末、初めて作った冷凍食品の専用売り場だ。老舗洋食店「銀座みかわや」など、銀座の名店の看板メニューを集めたシリーズ「銀ぶらグルメ」が人気で、商品の補充が追いつかない日もある。熊本県天草市で水揚げ直後に急速冷凍し、生の歯ごたえも味わえるシマアジの刺し身なども売れている。

 デパ地下では珍しい20~30代の若者も冷凍食品を目当てに来店しており、9月の冷凍売り場の売り上げは目標の2倍以上の1000万円を軽く超えた。

 同店の今井克俊・食品一課長は「冷凍食品はただ単に作った料理を冷凍すればいいわけではない。銀ぶらグルメなどに商品を出している店は、お客様が電子レンジでチンする段階まで考えて、料理の火入れを調整するなど、さまざまな工夫をこらして、おいしさを引き出しており、そうした努力が活況の背景にある」と話す。

「昭和のバイアスが外れた」

 冷凍食品は少し前まで、スーパーの安売りのイメージが定着していた。多くのスーパー…

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