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父の集大成 からくり「琴弾き人形」 寝屋川 “愛”は息子へ 世界で類を見ず /大阪

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琴弾き人形の仕掛けを確認する東野進さん(手前)と秀規さん。完成まで何万回も調整をしたという=大阪府寝屋川市で、北村隆夫撮影
琴弾き人形の仕掛けを確認する東野進さん(手前)と秀規さん。完成まで何万回も調整をしたという=大阪府寝屋川市で、北村隆夫撮影

 寝屋川市の「夢からくり一座」のからくり人形師・東野進さん(72)は、一昨年、「琴弾き人形」を8年がかりで完成させた。それまで音に合わせて演奏するふりをするものはあったが、実際に琴を演奏するものは世界でも類を見ないという。

 あでやかな着物姿の人形(高さ約30センチ)が体を動かし、首を傾けながら、右手で弦をはじくと、日本古謡「さくらさくら」のメロディーが響く。動力は、台座の中にあるぜんまい。回転する円盤状の「カム」に刻まれた凸凹と「腕木」と呼ばれる部品が連動し、糸でつながった人形の動きを細かく制御する仕掛けだ。演奏時間は約1分。カムを替えることで「荒城の月」も演奏する。

 2011年に東野さんは脳梗塞(こうそく)で倒れ、1カ月以上意識が戻らず、半年間入院した。後遺症で右半身にまひが残ったが、生きているうちに完成させたいと翌年、制作に取りかかった。細やかな調整の作業は次男で後継者である座長の秀規さん(36)がサポートした。

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