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「予防に勝る治療なし」実践を=武藤芳照・東京健康リハビリテーション総合研究所長

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 近年、「人生100年時代」という言葉をよく耳にする。日本人の平均寿命が男女とも50年を超えたのは1947年。その後の医療の進歩と健康意識の向上により、平均寿命は延び、2020年には男性81・64歳、女性87・74歳と、世界最長寿国を誇るまでになった。

 このことは誠に喜ばしいが、少子高齢化の流れは加速し、人口の構造は「胴上げ型」から「騎馬戦型」となり、いずれ「肩車型」や「おんぶ型」になると予測される。一人一人の高齢者が元気で長生きであるとともに、今の若者世代が健康でイキイキと過ごせる社会がますます求められている。

 「PPK(ピンピンコロリ)」という長野県発の健康標語は、「生きている時はピンピンして、コロリと死にたい」という高齢者の思いを表現している。これに相対する言葉が一般市民作の「NNK(ネンネンコロリ)」である。寝たきり、要介護のまま亡くなるという意味である。できれば誰もがPPKを希望するが、そのためには「予防に勝る治療はない」を意識して実行することが大切だ。

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