岸田首相、葉梨氏発言に後手の対応 「身内守る」と不満も

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
参院本会議で答弁を終え、一礼する葉梨康弘法相(右)。左は岸田文雄首相=国会内で2022年11月11日午前11時8分、竹内幹撮影
参院本会議で答弁を終え、一礼する葉梨康弘法相(右)。左は岸田文雄首相=国会内で2022年11月11日午前11時8分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相は11日、法相は「死刑のはんこを押す時だけがトップニュースの地味な役職」などと発言した葉梨康弘法相の更迭に踏み切った。首相は同日午後に東南アジア訪問に出発する予定だったが、出発時間を急きょ大幅に遅らせるドタバタぶりだった。発言から2日後の更迭判断に与党内では「遅すぎる」との批判も広がる。政権の求心力は一層低下した。

 「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による被害者救済に政府を挙げて取り組む中、その重責の一端を担う法相の発言で重要政策の審議などに遅滞が生じることを考慮した」。11日夕、首相官邸で葉梨氏から辞表を受け取った首相は記者団に語った。

 首相が葉梨氏の更迭を決断し自民党幹部に伝えたのは同日午後になってからだ。

 首相はこの日の夕方、主要20カ国・地域(G20)首脳会議など国際会議出席に合わせ、カンボジアとインドネシア、タイを訪問するため羽田空港を出発する予定だったが、この決断により、出発を約10時間遅らせることとなった。空港に集まっていた同行する政府関係者は出発延期を知らされると、慌ただしく霞が関へと戻っていった。

 葉梨氏の発言は9日夜、自民党岸田派の武井俊輔副外相のパーティーの席上でのことだった。直後に発言を知らされた首相は周…

この記事は有料記事です。

残り896文字(全文1426文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集