額に拳銃… 日本企業がアフリカで遭遇したウソのようなホントの話
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額に拳銃を突きつけられ、おのを持った男たちに囲まれる……。映画のワンシーンのようだが、アフリカのある国に進出した日本企業が実際にそんなトラブルに見舞われた。企業の海外進出に困難はつきものだが、ここまで危険な目に遭うことはそう多くない。「早く見切りを付けろ」。周囲はそう助言するが、この企業はそれでも現地で踏ん張るという。その理由を尋ねると、未開拓の市場を切り開こうという企業の気概が見えてきた。
額に突きつけられた拳銃
アフリカ東部に位置するタンザニア。日本の約2・5倍の国土に人口約6100万人を抱え、コーヒーなどが有名だ。最大都市ダルエスサラームはアラビア語で「平和の家」を意味するとされるが、ここにある日本企業の事務所はその名とはほど遠い事件に見舞われていた。
「警察だ。書類を全部出せ。警察署に来い!」。2021年2月のある日の早朝、中古車販売会社「FMG」の事務所に、警官を名乗る男がおのを持った仲間を引き連れ怒鳴り込んできた。事務所にいた最高執行責任者(COO)の金谷君香さんは身分証や捜査令状の提示を求めたが、男は拒否。代わりに額に拳銃を突きつけた。
「撃たれる」。そう思った瞬間、…
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