なぜ学ばないといけないの? 全盲ろうの東大教授・福島智さんの答え

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メールやサイトを点字で読み、6点のキーを使い文章を書くことができるパソコンなども使用して、福島さんは研究を続ける=東京都世田谷区で2022年10月28日午後3時12分、田村彰子撮影
メールやサイトを点字で読み、6点のキーを使い文章を書くことができるパソコンなども使用して、福島さんは研究を続ける=東京都世田谷区で2022年10月28日午後3時12分、田村彰子撮影

 なぜ学ばなければならないのか、なぜ学校に行かなければならないのか――。誰もが一度はそう思ったことがあるに違いない。全盲ろう(目が全く見えず、耳が全く聞こえない)を抱えながら日本で初めて大学に進学し、現在は東京大学教授を務める福島智さん(59)にその疑問をぶつけてみた。【田村彰子】

出合いで広がった世界

 福島さんは、18歳の時に全盲ろうとなった。高校の教師ら周囲の人たちの励ましと支援により、進学可能な大学を探しながらの浪人生活を経て、東京都立大学に入学した。苦労してつかみ取った大学進学。その大学から得たものを聞こうと思った記者に、福島さんがある詩の話を始めた。

 福島さんは、母親の令子さんが考案した指点字をコミュニケーション手段に使う。大学の同級生たちが、福島さんとスムーズにやり取りをするため、自主的に指点字と点字を覚えていた。そんなある日、友人が点字の練習のためにいくつかの詩を点訳して福島さんに渡してくれた。そこで福島さんは、吉野弘さんの「生命(いのち)は」という詩に出合ったのだ。

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