米、中国の台湾侵攻に警戒感 「まず継続的な意思疎通」 首脳会談
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バイデン米大統領と中国の習近平国家主席は14日、インドネシア・バリ島で、米中のトップとして初めて顔を突き合わせて向き合った。対面の米中首脳会談は、トランプ前政権下の2019年6月以来、約3年5カ月ぶり。トップ会談によって、緊張緩和に向けた具体的な道筋を探った。
「我々はかつて共に多くの時間を過ごした。個人的にも米政府全体でも意思疎通の窓を開いておくことを約束する」。習氏の宿泊先のホテルで実施された首脳会談。バイデン氏が笑みをたたえて切り出すと、習氏は「前回お会いしたのは5年以上前の国際会議だった。対面によるやり取りに勝るものはない」と言葉に親しみを込めた。
バイデン氏がオバマ政権(当時)の副大統領だった際に中国のカウンターパートだったのが胡錦濤指導部(同)で国家副主席だった習氏だ。当時、次期リーダーとして頭角を現してきた習氏についてオバマ政権は情報が乏しく、バイデン氏が関係作りを担った経緯がある。
バイデン氏は11年に訪中した際、習氏と共に四川大地震(08年)で被災した高校を訪問。翌年に習氏が訪米すると、両氏は副大統領公邸や西部カリフォルニア州ロサンゼルスで夕食をともにした。バイデン氏が13年に再度訪中した際には約5時間、会談している。「世界のリーダーの中で、習氏と最も多くの時間を共に過ごした」。バイデン氏が習氏との関係を自負する際に多用する決まり文句だ。
習氏も昨年11月にオンライン形式で会談した際にはバイデン氏を「古い友人」と呼び、友好的なムードを演出した。
バイデン氏は習氏との「個人的な関係」をテコに米中の緊張緩和につなげたい考え。だが思惑通りに進むかは見通せない。
米中間に横たわる懸案は幅広い分野にわたる。バイデン政権は、経済、安全保障、先端技術などの分野で全面的に対立したトランプ前政権の対中強硬路線を踏襲している。さらにバイデン氏が打ち出したのが「民主主義対専制主義」の構図だ。価値観の対立も加わり、双方の歩み寄りは一層難しくなった。
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