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鹿児島県の喜界島(喜界町)でよく見られる伝統のサンゴ石垣に暗雲が垂れこめている。空き家が増え、専門の石工が不在となったためだ。風化したサンゴの化石が無数に積み上げられた集落は、島の原風景でもある。先人からの伝統を守るため、地域ぐるみで維持や継承に向けた取り組みが進んでいる。
奄美群島の最北東に位置する喜界島。海岸には大きめのサンゴ石(化石化したサンゴ)が多く漂着し、昔から盛んに石垣に利用されてきた。特に阿伝(あでん)地区では、集落の細い路地の両側にサンゴの石垣が並び、南島の情趣を醸し出している。
喜界町によると、少子化などで町内の空き家率は10%に達し、かつてはどこの集落にもいた石工がいなくなった。多くの塀がコンクリート製に取って代わられ、現在は石工の子孫が親世代の作業を思い起こしながら、辛うじて伝統を紡いでいるという。
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