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サッカーW杯・カタール2022

サッカー・ワールドカップカタール大会が11月20日に開幕。4年に1度の世界最高峰の戦いの様子をお伝えします

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開催国カタールへ人権問題の抗議相次ぐ 開幕迫るサッカーW杯

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ドイツ1部リーグ、ブンデスリーガの試合会場に掲げられた、W杯カタール大会開催に抗議する横断幕=ドイツ・ゲルゼンキルヘンで2022年10月30日、村上正撮影
ドイツ1部リーグ、ブンデスリーガの試合会場に掲げられた、W杯カタール大会開催に抗議する横断幕=ドイツ・ゲルゼンキルヘンで2022年10月30日、村上正撮影

 20日の開幕を前に、4年に1度の祭典が異様なムードに包まれている。22大会目にして初の中東開催となるサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会は、スタジアム建設などを巡って劣悪な環境下に置かれた外国人労働者の多くが犠牲になったとして、出場国から抗議が相次いでいる。

 「#BOYCOTT QATAR2022」

 10月末のドイツ1部リーグ、ブンデスリーガ。日本代表主将の吉田麻也選手が所属するシャルケの本拠地スタジアムを訪ねると、こう大きく書かれた横断幕が目に飛び込んできた。

 ブンデスリーガの広報担当者は「このような横断幕は他のスタジアムでも掲げられ、珍しくない。ドイツ国内でこれまでも議論されてきた問題」と話す。

 きっかけは昨年2月の英紙ガーディアンの記事だ。カタール大会のインフラ整備を巡り、インドやパキスタンなどからの出稼ぎ労働者の死者数が、カタール大会の開催が決定した2010年からの10年間で6750人以上と報じたのだ。

抗議のユニホーム

 直後に開かれたW杯欧州予選では、抗議を示すチームが相次いだ。ドイツ代表はアルファベット1文字が白色で大きく書かれた黒地のシャツを着て11人が肩を組んで横に並び、「HUMAN RIGHTS」(人権)と示して抗議した。

 ドイツ代表のキミヒ選手(バイエルン・ミュンヘン)は海外メディアに「W杯をボイコットするには10年遅かった。サッカー選手として僕らにも一定の責任があり、自発的にシャツを着て訴えた」と語った。ドイツ・サッカー協会はW杯のボイコットには反対だが、代表チームの抗議行動は容認。ノルウェー、オランダでも同様に選手たちが訴えた。

 国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」などは、労働実態をつかもうと調査し、若くて健康な労働者が突然死に至ったケースが少なくなかったと報告する。6~8月の気温は40度を超えるカタールで、猛暑の中で長時間の重労働を強いられていたとし、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、基金を設立して補償すべきだと訴える。

 一方、カタール大会の組織委員会は14年以降に業務中の事故で3人、業務以外で35人が亡くなったと説明。「労働者の健康と安全に関して常に透明性を保ってきた」と報道内容を否定するが、…

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