ファンタジーにしたくない 中川大志の「本当」にこだわる演技論
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見栄えの良さが大河ドラマでネタになる。そんな武将を演じた俳優の中川大志が初めての本格的な舞台で、イメージを覆す役に挑んでいる。醜い風貌で生まれ、家族に虐げられるも、美しく変身して報復する男の物語だ。現実離れした話に思えるが、本人は「ファンタジーにしたくない」という。役に血を通わせるための信条は「本当に行動すること」。どういうことか。
大河ドラマで畠山重忠役 「ロス」も
「見栄えがいい」とは、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じた畠山重忠の設定のこと。周りから外見の良さを理由に、戦の先陣を任されたり、逆に裏工作を止められたり。コミカルさを演出するだけでなく、知勇に優れた武士を貫禄たっぷりに演じ、討ち死にした後はネットで「ロス」も広がった。
端正かつ清廉。そんな役の印象が強い中川が、今作「歌妖曲(かようきょく)~中川大志之丞変化~」(倉持裕作・演出)では違う姿を見せる。底流にある世界観は、異形に生まれながら悪逆を尽くして王へ上り詰める「リチャード三世」。プロデューサー陣が「ヒールの中川大志を見たことがない」と企画した。
昭和40年代の歌謡界。スター歌手の桜木輝彦(中川)には、知られざる顔があった。…
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