コロナ禍からの復活目指すバリ島 G20契機に安全をアピール

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バリ島のビーチで楽しむ観光客ら=11月12日、AP 拡大
バリ島のビーチで楽しむ観光客ら=11月12日、AP

 15日開幕の主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の会場となったインドネシア・バリ島は、厳しい警備態勢が敷かれている。バリは世界的なリゾート地だが、新型コロナウイルス禍で観光業が大きく落ち込んだ。インドネシア政府はG20を機にバリの安全性をアピールし、再活性化につなげようとしている。

 今回の会期中には、各国メディアを含め約4万2000人がバリの国際空港に到着する見込み。街中では、リラックスしたムードを楽しむ観光客が見受けられる一方、代表団の通過時に道路が封鎖されたり、代表団の滞在先付近に多くの警官が派遣されたりしている。

 会議が開かれるヌサドゥア地域の学校は会期中休校となり、付近の会社も在宅勤務が推奨されている。インドネシア軍によると、今回の会議では軍関係者らを中心に1万8000人が警備に当たる。顔認知機能のついた2000台以上の防犯カメラも導入されたほか、地域ごとの自治団も警備に加わっている。

伝統衣装を着て訪問客らを出迎える人たち=インドネシア・バリ島のングラ・ライ国際空港で2022年11月14日午後2時13分、石山絵歩撮影 拡大
伝統衣装を着て訪問客らを出迎える人たち=インドネシア・バリ島のングラ・ライ国際空港で2022年11月14日午後2時13分、石山絵歩撮影

テロでリゾートのイメージ傷つく

 バリでは2002年、イスラム過激派「ジェマ・イスラミア」の爆弾テロで、日本人夫婦を含む外国人観光客ら202人が死亡。05年にも爆弾テロで20人が犠牲になった。その後の政府の取り締まりで過激派は抑え込まれたが、穏やかなリゾート地のイメージは一時大きく傷ついた。

 こうした事件を防ぎたいと、会議場周辺では、サロンと呼ばれる民族衣装姿の村民らが1週間前から24時間体制で警備を担ってきた。村長のイマデ・ワルサさん(40)は「バリで、大きな国際会議が開かれるのは誇り。この地域が安全であることを示したい」と話した。

 観光業が大きな収入源であるバリでは、G20サミットをきっかけに観光業の活性化に期待の声が高まる。

民族衣装でG20サミット会場周辺の交通整理に当たるヌサドゥア地域の住民ら=インドネシア・バリ島で2022年11月14日午後3時55分、石山絵歩撮影 拡大
民族衣装でG20サミット会場周辺の交通整理に当たるヌサドゥア地域の住民ら=インドネシア・バリ島で2022年11月14日午後3時55分、石山絵歩撮影

観光客減り9万人が失業

 インドネシア観光当局のデータなどによると、新型コロナウイルスの感染拡大以前は、例年約620万人の外国人観光客がバリを訪れていた。しかし新型コロナを受けた国境封鎖で、ホテルの多くが閉鎖。9万人以上が職を失ったという。その後、観光客は回復しつつあるが、今年の外国人観光客はこれまでで150万人にとどまる。

 バリの市場で観光客向けに洋服を販売するニグスティ・ケトゥト・ライ・アルスィニさん(49)は「観光客はパンデミック以前の6割程度だ。店は、今回の会議会場からは遠く、売り上げに影響はないが、このイベントが再び活気を取り戻す機会になればうれしい」と期待を込めた。【バリ石山絵歩】

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