米中首脳会談も「台湾有事の危険性拭えず」 佐橋亮・東大准教授
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14日にインドネシアで実施された米中首脳会談のポイントや今後の両国関係の見通しなどについて専門家に聞いた。
佐橋亮 東京大東洋文化研究所准教授
米中両首脳は今回、双方が国内の政治的基盤を固めたという自信を持って会談に臨んだ。良好な雰囲気の中で軍事的衝突を回避したい意思を互いに示し、関係改善と競争の管理に意欲を示したことは一定の意義があったと評価できる。だが共同声明の発表などの具体的な合意や米中対立の転機となる歩み寄りがあったわけではない。対立から衝突への発展が懸念される緊張関係が続くことに変わりはない。
最大の懸案である台湾問題について、米国は「一つの中国」政策を堅持するとしながらも、実質的には台湾防衛の強化に向け、政策の中身の入れ替えを続けている。また、中国の台湾に対する攻撃的な行動に明確な反対を示し、日本も含めた同盟国との関係強化に努めている。半導体関連の輸出規制など経済安全保障分野でも中国の競争力を弱体化させる米国の政策に変更はない。中国はこれに不信感を抱き危機的だと認識しているが、今回の…
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