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第81期名人戦

第81期名人戦は、渡辺明名人は4連覇を懸け、藤井聡太王将は名人獲得の最年少記録更新を懸けた戦いに。解説付き棋譜中継は「七番勝負棋譜速報」からご覧いただけます。

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第81期名人戦A級順位戦 永瀬拓矢王座-佐藤天彦九段 第20局の4

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 見かけない展開になった。先手陣は玉頭に金銀が重なって脇が開き、後手玉は三段目に飛び出している。それでいて、まだ本格的にやり合った感じはしない。どちらも攻めの司令塔ともいうべき右銀が参加しておらず、腰の入った攻めにはなっていないのだ。

 図から[先]7五歩は[後]同歩[先]7四歩[後]8五桂[先]8二歩[後]6一飛が変化の一例。最後の[後]6一飛で[後]8二同飛なら[先]7三歩成[後]同金[先]5一角の王手金取りで先手よしだが、飛車をかわされるとなんともいえない。[先]8五銀と桂は取れても[後]7六桂や[後]1六歩の反撃がある。本譜は熟考を繰り返し、ともに手探りでの指し手が続く。

 桂頭攻めを見送った[先]7七桂はともかく、佐藤の[後]3六歩、その後の永瀬の[先]1三歩は意外だった。[後]3六歩では[後]1六歩が第一感。[後]3六歩は先手陣に圧力をかける一方で、自玉のキズにもなりかねない。よほど自分の読みに自信がなければ指せない一手だろう。

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【第81期名人戦】

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