日本製鉄社員「過労自殺」 残業急増、上司叱責も 労基署認定

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日本製鉄本社=東京都千代田区で2021年6月、井川諒太郎撮影
日本製鉄本社=東京都千代田区で2021年6月、井川諒太郎撮影

 国内最大手の鉄鋼メーカー「日本製鉄」(本社・東京都)の社員だった水谷翔紀(しょうき)さん(当時28歳)が2020年2月に自殺したのは、残業時間の急増と上司の叱責による複合的な要因でうつ病を発症したためだとして、半田労働基準監督署(愛知県半田市)が労災認定したことが、関係者への取材で判明した。未経験の修繕業務を命じられて業務が増えたほか、上司に何度も責められて疲弊していた。遺族は今後、日本製鉄に損害賠償を求める方針だ。

 認定は22年4月20日付。遺族側代理人の立野嘉英(よしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、水谷さんは10年に技術職で入社し、名古屋製鉄所(愛知県東海市)で施設管理を担当していた。19年10月、発電設備の定期修繕を1人で初めて任された。3カ月後には別の大型発電設備の修繕も担うようになり、残業が増えた。時間外労働は月76時間で、その前月に比べて3倍に跳ね上がっていた。

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