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特定の条件下でシステムが車を操作する「レベル4」相当の自動運転の新ルールを定めた改正道路交通法が4月に成立し、警察庁は来春にも公道でレベル4の運行を一部認める方針だ。これに焦りを強めているのが、自動車保険が売り上げの大半を占める損害保険会社だ。自動運転時代とどう向き合うか。損保各社の戦略に迫った。
損保ジャパン「開発会社に出資」
9月下旬、自動運転システムの開発を手がけるベンチャー企業「ティアフォー」の東京・品川にあるガレージでは、センサーを満載した自動運転車の整備が進んでいた。セダンやワゴン車などさまざまな車種の公道実験を重ね、システムの高度化に必要なデータの収集を続けている。
同社を人材、資金面でバックアップするのが、損保大手、損害保険ジャパンだ。2019年にティアフォーと業務提携を結び、22年7月の増資により出資額は計約200億円となった。過去の事故データの提供に加え、社員を同社に常駐させて自動運転システムの精度向上に取り組んできた。
自動運転のレベルが上がるほど交通事故は減り、将来的に自動車保険の存在意義自体が揺らぎかねない。そうにもかかわらず、なぜ損保会社が自動運転の研究に取り組むのか。
ティアフォーに出向している損保ジャパンの新海正史さんは「これまで自動車保険は、新しい技術が登場するたびに後追いで商品を開発してきた。開発段階から関わることで、自動運転のリスクを早期に把握でき、保険会社として準備を進めることができる」と説明する。
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