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毎年秋を過ぎると、税に関するニュースを頻繁に見聞きするようになる。次の年度の税制改正に向けた与党の議論が始まるためだ。今年は18日に本格的にスタートする。しかし、そのプロセスは独特で、私たちからは見えない部分が多い。そもそも、税制改正は何のために行われ、誰がどのように決めているのだろうか。
国や地方自治体が社会保障や公共事業、教育など、さまざまな政策を行うために必要な費用について、私たちは税金を出し合って負担している。政府は毎年12月末までに翌年度の予算案を作っていて、予算の裏付けとなる財源である税金のあり方についても同時並行で検討され、同じく年末までに決めている。
どうして税制を改正するのかと言えば、時代の変化やそのときの経済状況に応じ、税制も随時見直す必要があるからだ。また、政府が推し進めたい政策への誘導のためや、景気刺激策として減税などが措置されることもある。
例えば2021年末に議論された22年度税制改正では、岸田文雄政権が掲げる方針に沿い、従業員の賃金を引き上げるなどした企業に減税をする「賃上げ税制」を大幅に強化した。
住宅ローンの年末残高の一定割合を所得税と住民税から控除する「住宅ローン減税制度」は控除率が引き下げられた一方、控除を受けられる期間を10年間から新築住宅で13年間に延長した。住宅ローン減税は、住宅購入をうながし、家具や家電購入も含めた幅広い経済波及効果が期待できるとみなされている。議論の過程では「新型コロナ禍で落ち込んだGDP(国内総生産)の回復を図るために必要」との意見も出ていた。
与党税調が議論
税制を議論するのは、…
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