月周回宇宙ステーションに日本人1人搭乗へ アルテミス計画で合意

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アルテミス計画で新設する月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」のイメージ=米航空宇宙局(NASA)提供 拡大
アルテミス計画で新設する月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」のイメージ=米航空宇宙局(NASA)提供

 国際月探査「アルテミス計画」の一環で、2028年に完成予定の月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」に、日本人宇宙飛行士が1人搭乗することが決まった。永岡桂子文部科学相が18日、米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官とオンライン会談して合意した。

 日本は20年代後半に日本人飛行士を月に送ることを目指しているが、今回の合意は月面着陸のための搭乗とは別だという。搭乗の見返りとして、日本は居住棟へのバッテリーや生命維持装置などの提供と、30年を目標に補給船による物資輸送(4トン)を担う。

2028年に完成予定の月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」での日米協力に合意した永岡桂子・文部科学相(左から2人目)と米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官(オンライン会議システムの画面内)=東京都千代田区で2022年11月18日午前7時12分、鳥井真平撮影 拡大
2028年に完成予定の月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」での日米協力に合意した永岡桂子・文部科学相(左から2人目)と米航空宇宙局(NASA)のネルソン長官(オンライン会議システムの画面内)=東京都千代田区で2022年11月18日午前7時12分、鳥井真平撮影

 米国が30年までの運用延長を提案している国際宇宙ステーション(ISS)についても、日本も30年までの運用に参加することを表明した。24年までの運用は全15カ国の参加国が合意しているが、米国の提案に賛同したのは日本が初めて。参加国で最も早く米国に歩調を合わせ、改めて日米の協調を示す狙いがあるとみられる。

 文科省の有識者会議は運用延長の理由について、アルテミス計画で必要となる技術の獲得・実証の場として利用価値が高い▽民間の活動の拡大を見据え、宇宙での活動機会を提供できる▽宇宙開発技術者の人材育成の場として期待できる――などとしている。

 文科省によると、参加国のうち欧州も今月下旬に参加に同意する見通し。ウクライナ侵攻で欧米との対立が深まるロシアは態度を明確にしていない。

 ISSは1998年に建設が始まり、11年に完成。日本は実験棟「きぼう」の建設や物資の輸送などで貢献している。負担も大きく、これまでに投じた額は1兆円以上に上る。近年では平均して年間300億~400億円を拠出している。

 アルテミス計画は16日に新型の巨大ロケットを打ち上げ、本格的にスタート。計画の各国の負担割合は未定だが、ISSの運用とアルテミス計画が重なり、宇宙関連予算が膨らみ続けることが懸念される。

 文科省の有識者会議は新型補給船の開発で、物資輸送量が現状の1・45倍となるため、「25年度以降のISS関連の年間予算は約4割の削減が期待できる。予算の大幅な増加は抑制可能」としている。【鳥井真平】

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