学校の黙食見直しは? 政府分科会委員が語った本音

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写真はイメージ=ゲッティ
写真はイメージ=ゲッティ

 新型コロナウイルスの感染対策を巡り、飲食店への自粛要請などが緩和されるなか、なぜ多くの学校で「黙食」が続けられているのか。政府の新型コロナ対策分科会委員に尋ねると、黙食緩和に向けた二つのカギが浮かび上がった。【大沢瑞季】

 「そもそも黙食は子どもたちにとって、好ましいことではありません。感染症に注意しながら、緩めるところは緩めて、普通のことができるようにするのが本来の学校の姿ではないでしょうか」

 分科会委員を務める岡部信彦さん(川崎市健康安全研究所長)は、漫然と続く黙食に疑問を呈した。大人の世界では、感染リスクをなるべく抑えながら社会経済を回すため、感染状況に応じてさまざまな規制が緩和されてきた。

 岡部さんは「『子どもの社会』である学校でも、勉強だけではなく、他者とのコミュニケーションや遊びもひっくるめた教育を戻す必要があります」と強調する。

 それには、文部科学省策定の「衛生管理マニュアル」をどう理解するかが重要だ。実は、学校の感染症対策の基となっているこのマニュアルには「黙食」という文言はない。今年4月改定の最新版は次のように記す。

 「食事の前後の手洗いを徹底してください。会食に当たっては、飛沫(ひまつ)を飛ばさないよう、例えば、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応が必要です」

 岡部さんは「これは黙って、一言もしゃべらないで食べるということではなく、静かに食べましょうという意味。大きな声で、ご飯粒を飛ばしながら食べるような状況はリスクが高まりますが、普通の会話程度であればいいのです」と解説する。

 永岡桂子文部科学相も今月8日の記者会見で「必ずしも黙食を求めているわけではありません。子どもたちの心身の健やかな成長の観点から、向かい合う席の配列や大声での会話を控えた上で、子ども同士での会話を認めている教育委員会もあります」と述べた。

 実際、愛知県教委は、給食時に机が対面にならないよう互い違いにするなどしたうえで、静かな会話は認めている。また、宮崎県、福岡市でも黙食は緩和されている。

 だが、多くの小・中学校ではマニュアルに明記されていないにもかかわらず、黙食の徹底が続く。なぜなのか。

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