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サッカーW杯・カタール2022

サッカー・ワールドカップカタール大会が11月20日に開幕。4年に1度の世界最高峰の戦いの様子をお伝えします

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金言

祭典を支えたお父さん=小倉孝保

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 ネパールの農村部に暮らすガンガラムさんには7人の娘がいた。嫁がせるには1人につき持参金約60万ネパールルピー(約67万円)が必要になる。

 父は2018年、出稼ぎのため中東カタールに渡る。この国は、22年のサッカー・ワールドカップ(W杯)を控え建設ラッシュに沸いていた。

 現場で働くガンガラムさんの時給は約130円。給料のほとんどを家族に送った。夏場は湿度が高く、気温は40度を超える。20年晩夏、仕事後に突然気を失い、宿舎で息を引き取った。40代だった。

 雇用主から支払われたのは、残りの賃金と葬儀費の計約20万円。家族には、出稼ぎ時の仲介手数料が借金として残った。娘の一人は涙ながらに話す。「父さんは『帰ったら、ほしいものは何でも買ってあげられる』と言っていたのに」

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