ボーディングスクール続々開校 全寮制でグローバル、人気の教育

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生物学の授業を受ける国際高校の生徒ら=愛知県日進市で2022年11月1日午前11時6分、川瀬慎一朗撮影
生物学の授業を受ける国際高校の生徒ら=愛知県日進市で2022年11月1日午前11時6分、川瀬慎一朗撮影

 語学力と国際感覚を磨き、世界で活躍する人材に――。こんなうたい文句で、全寮制の学校が各地に広がっている。国際色豊かな生徒たちが切磋琢磨(せっさたくま)し、多くが海外の大学への進学を目指す。英国の名門「ボーディングスクール」(寄宿学校)の進出も相次ぐ。どんな教育が実践されているのか。【川瀬慎一朗】

 「Please discuss with your partner.」(隣の席の生徒と話し合ってみてください)

 教室から聞こえてくるのは英語だが、生徒らが学んでいるのは英語ではない。生物学の授業で、池で大量死した魚の写真を見ながら、その原因について意見をぶつけ合っていた。机の上には試験管や試薬が並ぶ。試験管に入った水の水素イオン濃度を調べ、水質汚染が生態系に与える影響を学んでいるのだという。

 実際に起きた事柄を基に議論しながら、問題解決力を養う「ケースメソッド」という教育手法を取り入れた国際高校(愛知県日進市)の授業風景だ。ビジネススクールなどを運営する学校法人栗本学園が「世界に通用する次世代のリーダー育成」を掲げ、9月に開校した。国際的な大学入学資格「国際バカロレア(IB)」と、日本の高卒資格が得られる全寮制の教育施設は、国内3例目になる。教員の約7割が外国籍で、生物学を教えるニール・ショー先生はインド出身。教員全員が修士以上の学位を持つ。

 学内では英語が公用語となる。1期生20人のうち9人が留学生で、米国やモンゴル、香港など6カ国・地域から集まっている。日本の生徒は、愛知県だけでなく関東や関西からも入学した。英国を代表するボーディングスクールのイートン校をモデルとし、「全寮制だからこそ、友人は家族でもあり関係は強固なものになる。主体性や責任感も高められる」(栗本博行理事長)という。

 生徒が暮らす3階建ての寮は、4人1部屋が基本だ。系列の名古屋商科大学で学ぶ留学生が「メンター」(助言者)として一緒に住み、生徒に勉強を教えたり、スポーツをしたりして交流する。同大のキャンパス内にあるため、ゴルフ場や陸上競技場など運動施設も充実している。

 寮費を含めた学費は年間約350万円。専門的な技術や知識を有する「高度人材」として来日する外国人の子どもらの受け入れも想定している。ムスリムの生徒が訪れることを想定して、学内に「祈とう室」を設け、学食でもイスラム教の戒律に沿った「ハラル」対応のメニューを準備している。

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