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北朝鮮が再びICBM 緊張高める暴走許されぬ

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 北朝鮮が日本海へ向けて長距離ミサイルを発射した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられる。北東アジアの緊張を高める挑発であり、許されない。

 高度約6000キロ、飛距離約1000キロに達し、北海道・渡島大島(おしまおおしま)沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。漁船などへの被害はなかったが、周辺海域は重要な漁場である。

 高い角度で打ち上げ、飛距離を抑えるロフテッド軌道だった。通常の軌道なら射程は最長で1万5000キロを超えるとみられ、ワシントンやニューヨークなど米全土に届く可能性がある。

 ICBMと確認されれば、日本のEEZ内に落下したのは今年3月以来である。

 日米韓が首脳会談で連携強化を確認したことへの反発だとみられる。バイデン米大統領は同盟国である日韓を守るため、「核の傘」による拡大抑止を強化すると表明したばかりだ。

 これに対して北朝鮮の崔善姫(チェソニ)外相は「軍事的対応はさらに猛烈になる」と警告していた。米韓合同軍事演習などを「侵略的」なものだと決めつけ、ミサイル発射は合法的な対応措置だと強弁した。

 だが弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会の決議違反である。北朝鮮は今年に入り、かつてない頻度で発射を繰り返している。

 新型兵器開発を進める姿勢を鮮明にしており、今後もさまざまなミサイルを発射する可能性が高い。7回目となる核実験を強行することも警戒されている。

 国際社会の対応は厳しさを増している。バンコクで国際会議に出席中の岸田文雄首相やハリス米副大統領ら6カ国の代表は、ミサイル発射を「断じて容認できない」と非難した。

 日米韓は北朝鮮のミサイル情報をリアルタイムで共有することで合意している。今回の対応を検証し、今後さらに連携を強化する必要がある。

 近年は日韓関係の悪化が対北朝鮮での3カ国の連携に暗い影を落としがちだった。その状況は、首相と尹錫悦(ユンソンニョル)韓国大統領の会談などを経て改善しつつある。北朝鮮の暴走がエスカレートする中、日韓は協力関係を一層強めなければならない。

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