APEC首脳会議閉幕 米中対立とウクライナ問題で混迷

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アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連会合に出席する議長国タイのプラユット首相(手前左)と中国の習近平国家主席(右)=タイの首都バンコクで2022年11月18日、ロイター
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の関連会合に出席する議長国タイのプラユット首相(手前左)と中国の習近平国家主席(右)=タイの首都バンコクで2022年11月18日、ロイター

 タイの首都バンコクで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は19日、首脳宣言を採択して閉幕した。ロシアによるウクライナ侵攻を巡って参加国の意見が対立したが、ロシアへの「非難」と「異論」を両論併記することで宣言採択にこぎつけた。ただ、米中の主導権争いを背景に、貿易・投資の自由化に向けたAPEC本来の議論は停滞している。APECで今、何が起きているのか。

アジア太平洋で存在感強める中国

 「開放と包容を堅持し、共同富裕(ともに豊かになる)のアジア太平洋を構築すべきだ。運命共同体の構築に向けて絶えず前進しなければいけない」。中国の習近平国家主席は18日開かれたAPEC首脳会議で、中国国内での自身の看板政策・共同富裕をアジア太平洋域内にも広げ、経済協力を主導する姿勢を強調した。

 アジア太平洋地域の貿易枠組みを巡っては近年、米国と中国の主導権争いが激化している。目立つのは中国の存在感の高まりだ。

 米国が2017年に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を離脱する一方、中国は22年、日本や韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)などが参加する「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」の発効にこぎ着けた。

 RCEPは関税撤廃などの自由化水準はTPPより劣るが、域内の人口や国内総生産は世界の3割を占める巨大経済圏だ。RCEPを追い風に、中国にとって最大の貿易相手であるASEANとの貿易額は増加傾向が続いている。

 さらに、中国は21年9月に米国の抜けたTPPへの加入を申請。国際的に批判を集める国有企業優遇の見直しなど中国の加入への…

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