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曽我五郎 強力無双、「荒事」の立役者=小玉祥子

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市川新之助=2022年10月22日、幾島健太郎撮影
市川新之助=2022年10月22日、幾島健太郎撮影

 兄の曽我十郎と弟の五郎が「富士の巻狩り」の夜に亡父・河津祐通(祐泰)の敵、工藤祐経を討った「曽我兄弟の仇討ち」があったのは建久4(1193)年のことである。

 今月は歌舞伎の2劇場に4人の曽我五郎が登場している。歌舞伎座(28日まで)が昼の部の「外郎売(ういろううり)」(市川新之助)、夜の部の「矢の根」(松本幸四郎)と「助六(すけろく)由縁(ゆかりの)江戸桜(えどざくら)」(市川團十郎)。平成中村座(27日まで)が「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」(中村福之助)である。

 十郎は敵討ちの直後に切られて亡くなったが、五郎は取り押さえられ、工藤側に引き渡しとなり、殺された。父・祐通が所領問題をめぐるいざこざから、一族である祐経の家来に命を奪われたのは76年。長い辛苦を乗り越えて敵を討った兄弟は武士のかがみ、とたたえられる。

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