今はカピバラの入浴 官房長官が携帯電話のシールににじませる思い

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松野博一官房長官の携帯電話に貼られた「GUP」のシール=東京都千代田区で2022年11月15日午後2時35分、村尾哲撮影 拡大
松野博一官房長官の携帯電話に貼られた「GUP」のシール=東京都千代田区で2022年11月15日午後2時35分、村尾哲撮影

 松野博一官房長官が、自身の携帯電話にいっぷう変わったシールを貼っている。「酒気帯び電話禁止」「悪霊退散」など時節や気分に応じて貼り替えており、最近愛用のシールは「GUP」だ。岸田文雄内閣の番頭役である松野氏が、携帯シールににじませる思いとは――。

 情報が命の政治家にとって、スマートフォンなどの通信機器は肌身離すことのできない仕事道具だ。政権の総合調整役として機微な情報を扱う松野氏は、盗聴リスクが比較的少ない従来型携帯(ガラケー)を愛用している。

 その携帯に、ある時は「酒気帯び電話禁止」シールを貼っていた。生活用品メーカー、ライオン出身の松野氏は温厚で控えめな性格で、官房長官になって以降も自己主張を控えて首相の支え役に徹していることから、国内最上位の「中間管理職」などと称される。一方で、知る人ぞ知る酒豪だ。新型コロナウイルスの感染拡大前は同僚議員らと痛飲することもしばしばで、酒が入って気が大きくなっている時は特に言動に注意しようと自らに言い聞かせていたようだ。

 葉梨康弘前法相が「死刑」を巡る失言で辞任した11日に貼っていたのは「悪霊退散」。失言を書き立てるマスコミ各社の番記者たちにこのシールをさらりと披露し、「私たちは悪霊ですか?」との反応を誘い笑顔を見せた。シールをきっかけとした、たわいのない会話で一時の気分転換を図ったようだった。

記者会見する松野博一官房長官=首相官邸で2022年11月17日午前11時10分、竹内幹撮影 拡大
記者会見する松野博一官房長官=首相官邸で2022年11月17日午前11時10分、竹内幹撮影

 松野事務所関係者によると、これらのシールは松野氏が気に入った言葉をもとに議員会館詰の秘書が自作している。最近はカピバラの入浴イラストと共に「GUP」と描かれたシールを気に入って貼っている。

 GUPは松野氏が尊敬するジョン・F・ケネディ元米大統領の格言の一節を意味するという。その格言とは「中間管理職と真のリーダーシップとの半歩の違いは、プレッシャーの下での優雅さを保てるかどうか」。「プレッシャーの下での優雅さ」を表す「grace under pressure」の頭文字が「GUP」というわけだ。

 相次ぐ閣僚不祥事や物価高、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)対応への判断など、最近は特に厳しいプレッシャーに身を置き続けている松野氏。ケネディ氏の言葉を借りれば、中間管理職と真のリーダーは半歩の差。松野氏は着信音が鳴るたびに、どんな思いで携帯を手に取っているのだろうか。【村尾哲】

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