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ウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から1年。長期化する戦闘、大きく変化した国際社会の行方は……。

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ザポロジエ原発で十数回攻撃 ロシアとウクライナ、川を挟み攻防激化

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ウクライナ南部ザポロジエ原発=2022年11月7日、ロイター 拡大
ウクライナ南部ザポロジエ原発=2022年11月7日、ロイター

 国際原子力機関(IAEA)は20日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発で19日夜~20日朝に十数回の大きな爆発があったと発表した。ロシアとウクライナは、互いに相手側が攻撃したと主張している。IAEAのグロッシ事務局長は声明で「(危険な)火遊びをしている」と原発への攻撃を非難し、21日に調査を行う方針を示した。

 グロッシ氏は声明で「極めて憂慮する事態だ。(実行したのが)誰であれ、ただちに攻撃を中止しなくてはならない」と述べた。施設の一部は損傷したものの、放射線漏れはなく、死傷者も報告されていないという。ロイター通信によると、使用済み核燃料を保管する施設などの周辺が砲撃を受けたとみられる。

 2月のロシアによるウクライナ侵攻後、ザポロジエ原発はこれまで何度も砲撃の被害に遭い、原子炉の冷却に必要な外部電源が複数回にわたって喪失。原子力災害のリスクが指摘されている。

ザポロジエ原発 拡大
ザポロジエ原発

 一方、ウクライナ南部ヘルソン州では両軍による攻防が激化している模様だ。州都ヘルソン市を含むドニエプル川西岸から撤退したロシア軍は18日、東岸に部隊を再配備し、西岸にある町への砲撃を強化したと報じられている。川を挟んで東のロシア軍、西のウクライナ軍がにらみ合う状況が続いている。

 また、ロシア軍は兵力の一部をヘルソン州から東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)に移し、東部の守りを固めているとみられる。米シンクタンク「戦争研究所」は19日、ルガンスク州の州都ルガンスク市でロシア兵が増加していると指摘。同市の南東約30キロにある町の空き家などに戦闘要員を集めているという。【ロンドン篠田航一】

【ウクライナ侵攻】

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