- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

パレスチナ自治区があるヨルダン川西岸で、10~30代の若者が新たな武装組織を作り、イスラエル軍との戦闘を繰り広げている。ヨルダン川西岸で起きた衝突による死者は今年、双方で130人以上に達し、第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)が終わった2005年以来の水準となる見込みだ。一体、何が起こっているのか。
高い若者の支持
10月25日、ヨルダン川西岸の都市ナブルス。イスラエル軍に殺害された武装組織の男性(31)の葬儀が営まれ、市中心部に数千人が集まった。「殉教者は神の祝福を受ける」「復讐(ふくしゅう)を!」。市民は遺体とともに街中を練り歩き、大声で叫んだ。
男性は、ナブルス周辺の若者で結成された新たな武装組織「ライオンズ・デン(ライオンの巣)」の幹部の一人だった。同日、弾薬庫として使っていた自宅で、イスラエル軍のミサイル攻撃を受けて殺害された。
ライオンズ・デンは今年8月以降、姿を現した。国際法違反とされるユダヤ人入植地付近で、イスラエル軍兵士を殺害したり、入植者を銃撃したりしてきた。グループに対する若者の支持は高い。
ナブルスに住む内装業、ムハンマドさん(19)は言う。「ライオンズ・デンは、イスラエルの侵略から我々を守ってくれる存在だ。友人は皆、彼らを支持している」。無職のジャワドさん(27)は「こちらが和平を望んでも、イスラエルは拒否するだけだ。勝てなくても、戦う…
この記事は有料記事です。
残り1680文字(全文2275文字)