話せるようになる? 採点は大丈夫? スピーキングテストの課題とは
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東京都内の中学3年生を対象にした英語のスピーキングテストが27日に実施される。「使える英語力」を身に付けることが目的で、採点結果は来春の都立高入試に加点されることが決まっており、公立中学3年生約8万人中、約7万6000人が受験する。民間運営のスピーキングテストを公立高入試に全面活用する全国初の試みに注目が集まる一方、採点の公平性や公正性を巡る懸念の声も根強い。試験の概要と、指摘される問題点をまとめた。
音声を吹き込み、海外で点数化
テストは都が2022年度予算に5億円を計上し、運営や採点は通信教育大手のベネッセコーポレーション(岡山市)が担う。試験会場では生徒らにタブレット端末が貸し出され、耳当てを着けた生徒らは絵や文章の設問を見て解答を英語で吹き込む。
録音した音声データはフィリピンに送られ、現地スタッフが採点。「文法や語彙(ごい)は適切か」「伝わる発音で話せているか」といった観点から4点刻みの計20点満点で評価する。都立高入試では調査書(通常は300点満点)と学力検査(同700点満点)に加算され、計1020点満点となる。20点は主要教科の内申点と同程度だ。
新たな試みが導入されたきっかけは、英語の授業改善を目指して都教育委員会が13年に設置した「英語教育戦略会議」での議論だった。学識者やベネッセ関係者らが委員に加わり、16年に「英語を話す力を測る入試」の検討を提言。これを受けて都教委が検討を進め、19年2月に実施方針を決めた。この年からは毎年、中3を対象にしたプレテストが実施され、準備が本格化した。
受験しない方が高得点に?
一方で21年9月、入試に20点満点で加算されるとの具体案が決まると、一部の保護者や学識者らから懸念の声が広がった。
「知れば知るほど…
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