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空港・港湾も入れる?防衛予算「2%」の攻防 国防族は「水増し」批判

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国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議の佐々江賢一郎座長(左)から報告書を受け取る岸田文雄首相=首相官邸で2022年11月22日午前11時23分、竹内幹撮影
国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議の佐々江賢一郎座長(左)から報告書を受け取る岸田文雄首相=首相官邸で2022年11月22日午前11時23分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相は22日、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の報告書を受け取った。政府は防衛力強化に向けた具体策の検討を加速させる。ただし、防衛力強化に関する予算の国内総生産(GDP)比2%の達成に向けた財源確保など課題は山積している。

有識者会議が求めた予算配分

 「重要な課題について貴重なご提言をいただいた。与党とも調整しながら検討を進めたい」。有識者会議座長の佐々江賢一郎元駐米大使から報告書を受け取った岸田首相はこう語った。

 有識者会議が報告書の3分の1超を割いて強く求めたのが、防衛力強化に向けた政府の「縦割り打破」だ。根底には、研究開発や公共インフラ整備など防衛省以外の省庁が所管する予算が、防衛力強化に十分生かされてこなかったとの問題意識がある。

 報告書は、研究開発▽公共インフラ▽サイバー安全保障▽同志国の軍隊への資機材供与など国際的協力――の4分野を対象に、防衛省の要望を踏まえた予算配分を提案した。

 学術界が長年、軍事研究をタブー視してきたことを念頭に「政府と大学、民間が一体となって防衛力強化にもつながる研究開発を進める仕組み」づくりを要求。公共インフラに関しても「自衛隊が港湾や空港を使用することに対して抵抗感のある地方自治体もある」と指摘し、有事に自衛隊などが利用することを想定して空港・港湾の整備を進めるよう求めた。

 政府内には、北大西洋条約機構(NATO)諸国が国防予算のGDP比2%以上を目指していることを踏まえ、日本も同様の目標を掲げるべきだとの認識が広がっている。実際、防衛省は近年、海上保安庁予算などを含む「安全保障関連経費」を試算・公表してきた。ただし、2021年度の防衛省予算(補正を含む)のGDP比は1・09%。安保関連経費でも1・24%にとどまる。

 有識者会議が、4分野の予算配分に防衛省の…

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