就活替え玉受験 容疑者「感謝されやりがい」4000件代行か

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警視庁=米田堅持撮影 拡大
警視庁=米田堅持撮影

 就職試験のウェブテストを替え玉受験したとして田中信人容疑者(28)=大阪市=が私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕された事件で、警視庁は22日、替え玉受験を依頼した大学4年の女子学生(22)=東京都=を同容疑で書類送検し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 同庁サイバー犯罪対策課によると、女子学生は大手商社など23社分のウェブテストの受験代行を田中容疑者に依頼し、報酬として約10万円を支払っていた。依頼した企業のテストはほぼ合格したが、内定に至った企業はなかった。

 女子学生は「ウェブテストが突破できず、不採用ばかりだったので代行を頼んだ。軽はずみな行為で企業に迷惑をかけて申し訳ない。今後は自分の力で行動する」と供述しているという。

 依頼者について、同課はこれまでこの女子学生を含む5人を事情聴取。5人はいずれも代行受験を依頼した企業の採用試験を途中で取りやめたほか、1人は内定を辞退したという。

ウェブテストの替え玉受験をしたとして逮捕された田中信人容疑者=東京都千代田区の警視庁丸の内署で2022年11月21日午後0時27分、高井瞳撮影(画像の一部を加工しています) 拡大
ウェブテストの替え玉受験をしたとして逮捕された田中信人容疑者=東京都千代田区の警視庁丸の内署で2022年11月21日午後0時27分、高井瞳撮影(画像の一部を加工しています)

 一方、田中容疑者は「京都大大学院生だったときに友人に誘われて小遣い目的で始めたが、学生に感謝されて次第にやりがいを持つようになった」などと供述。請け負った替え玉受験は4年間で累計約4000件に上るとみられる。

 捜査関係者によると、田中容疑者は京都大を経て同大院に進み、現在は関西電力に勤務。職場から帰宅した後、自宅で朝方までウェブテストを受けていたという。ツイッターで1件当たり2000円で依頼を募り、報酬は銀行振り込みで受け取り、日々の飲食代などに使っていたとみられる。

 今年3月、同課がサイバーパトロールで田中容疑者のツイッターを発見したことが捜査の端緒となった。

 田中容疑者は自身のツイッター内で、ウェブテスト以外にも「TOEICも請け負います」などと投稿。自宅からはTOEICの参考書なども押収されていることから、別の試験についても受験代行を請け負っていた可能性がある。

 田中容疑者は今年4月、就職活動中だった女子学生から都内の大手クレジットカード会社のウェブテストの代行受験を依頼され、女子学生になりすましてテストを受けたとして同容疑で21日に逮捕された。【高井瞳】

依頼側の女子学生を書類送検

 同課は22日、替え玉受験を依頼したこの女子学生も同容疑で書類送検し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。女子学生は大手商社など23社分のウェブテストの受験代行を田中容疑者に依頼し、報酬として約10万円を支払っていた。依頼した企業のテストはほぼ合格したが、内定に至った企業はなかったという。

 女子学生は同課に対し、「自分で受験したがウェブテストが突破できず、不採用ばかりだったので代行をお願いした。軽はずみな行為で企業に迷惑をかけて申し訳ない。今後は自分の力で行動する」と供述しているという。【高井瞳】

関西電力「大変遺憾、厳正に処分」

 関西電力は22日、替え玉受験の疑いで逮捕された容疑者が同社本店勤務の社員であることを認め、「当社の社員が逮捕されたことは大変遺憾であり、重く受け止めている。今後事実関係を確認の上、厳正に対処してまいりたい」とコメントした。

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