「白鯨」のモデル マッコウクジラの結石が生み出す高貴な香り
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世界最大のコーヒーチェーン店と、1962年に亡くなった俳優のマリリン・モンローさんが愛用した香水には、共通点があります。さて何でしょうか。
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答えは、マッコウクジラ。今回の主人公です。
コーヒーチェーン「スターバックス」の名称は、19世紀の米国人作家ハーマン・メルビルが著した「白鯨」の登場人物に由来するとされます。巨大な白いマッコウクジラ=モービー・ディックを目の敵にする捕鯨船のエイハブ船長が、生真面目な1等航海士を「スターバック君!」と呼びつけています。難解な小説ですが、何度も映像化されているので目にした方も多いのではないでしょうか。
また世界で最も有名な香水とされ、マリリンの「寝る時にまとうのは(衣服などではなく香水を)数滴だけ」という伝説的なエピソードを生んだ「シャネル5番」には、マッコウクジラの「竜涎香(りゅうぜんこう)」が使われています。貴重で高価な香水の原料として、古代エジプト時代から利用されています。色も艶もない話になってしまうものの、竜涎香はマッコウクジラの腸に蓄積した結石です。1%以下の個体にしかできません。排…
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