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ウラの協議とオモテの議論

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旧統一教会の被害者救済に向けた新法案について協議に臨む自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産各党の幹事長・書記局長=国会内で2022年11月18日、竹内幹撮影
旧統一教会の被害者救済に向けた新法案について協議に臨む自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産各党の幹事長・書記局長=国会内で2022年11月18日、竹内幹撮影

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済が喫緊の政治課題となっています。「与野党協議」と聞くと思い出す国会の光景があります。【政治部・高本耕太】

 2013年11月20日。衆院国家安全保障特別委員会では、特定秘密保護法案に関する審議が行われていた。「国家の存立に関わるような……」。旧民主党議員の質問を遮るように、野党議員たちが声をあげた。

 「委員長、与党いないじゃないですか」「与党が全然いないぞ!」。その瞬間、委員会の多数を占める自民党議員席の大半が空席だった。

 税制調査会など自民党会合の日程と重なったこの日の委員会で、同党議員は離着席を繰り返し、質疑時間が与党議員から野党に移ると、相次いで委員会室を後にしていた。

 「これだけの重要法案だと言っておきながら、どういうことだ!」。審議がストップすると今度は、民主党議員たちが席を立とうとした。議事成立に必要な出席者の数(定足数)を割り込ませて、委員会を流会させる戦術に出たのだ。

 委員の一人だった公明党議員の大口善徳さん(67)が「定足数をわざと減らすことないだろう。引き上げる場面じゃない」と民主党議員たちを引き留めていた。そして、傍聴していた自民関係者にはこう怒鳴った。「早く議員を呼んでこい!」

 数分間の中断を経て、質疑は再開された。委員会後の記者会見で大口さんは「委員会の充実に努力する必要がある」と苦々しげに語った。

 国の安全保障や外交にかかわる機密情報の保護を法制化する同法案は、政府・与党がこの国会で成立を期した「最重要法案」のはずだった。にもかかわらず、その内容を討議すべき委員会審議がここまで緩んでしまったのは、なぜか。

 与党は当時、…

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