「おひとりさま」でも、いいじゃない 芸人・ヒロシさんの世界観

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ポーズをとるヒロシさん=東京都品川区で2022年10月28日、小出洋平撮影
ポーズをとるヒロシさん=東京都品川区で2022年10月28日、小出洋平撮影

 豊かな自然の中、1人テントを組み立て、たき火にあたり、静かな時間を過ごす。そんな「ソロキャンプ」の模様を動画配信し、人気を集めているのが芸人のヒロシさん(50)だ。実はヒロシさん、私生活でも「ソロ」にこだわり、独身を貫いている。その心は、「人間関係は流れていくものだから」。今や結婚しない男女が一定の割合を占める“おひとりさま”時代。その考えにも共感が広がっていると聞き、本人を訪ねた。【金志尚】

自由が魅力

 「ヒロシです。昔サインを書いた店に、サインが飾ってありませんでした……」

 哀愁漂う曲調のBGMが流れる中、うつむき加減にボソリ。「ヒロシです」のフレーズで始まる自虐ネタを覚えている人も多いだろう。2000年代はじめ、ヒロシさんはこの芸風でブレークし、一躍全国区の存在にのし上がった。ピーク時の月収は実に4000万円。しかし、華々しい活躍は長く続かず、いつしかテレビの世界から、消えた。

 「一発屋」などとささやかれる中、転機となったのは15年。動画投稿サイトのユーチューブに「ヒロシちゃんねる」を開設し、趣味にしていたソロキャンプの配信を始めた。すると意外性もあって話題を呼び、じわじわ人気が広がっていったのだ。チャンネル登録者数は現在、115万人に上る。

 出身地である熊本のローカル局から声がかかり、ソロキャンプの魅力を伝える冠番組も2年前に始まった。人生、どう転がるか分からないものである。

 それにしても、なぜソロなのだろう。アウトドア派のヒロシさんだが、なにかと集団行動が求められる一般的なキャンプは苦手という。

 「みんなと一緒だと、道具から何からみんなで一緒に使ってやらないといけない。まあ無理ですよね。たまの休みなのに、何で人に気を使って動かなきゃいけないのって、思っちゃうから」

 でもソロなら、他人を気にせず自分のペースで楽しめる。その魅力はとにもかくにも、「自由であることに尽きる」というのだ。

 ヒロシさんは、ソロキャンプを愛好する芸人グループ「焚火(たきび)会」の呼びかけ人でもある。普段はそのメンバーと一緒に行くことが多いという。

 ソロが好きなのにグループとはなんだか矛盾するようだが、…

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