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円安と物価高

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東北電力、家庭向け料金「本格値上げ」申請 ウクライナ侵攻後で初

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経済産業省本館=東京都千代田区霞が関1で2019年2月2日、本橋和夫撮影 拡大
経済産業省本館=東京都千代田区霞が関1で2019年2月2日、本橋和夫撮影

 東北電力は24日、国が規制する家庭向け電気料金の値上げを経済産業相に申請した。値上げ幅は平均32・94%で、2023年4月1日の実施を目指す。火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)や石炭の価格高騰と記録的な円安で収益が悪化しており、値上げで収支を改善する必要があると判断した。国は値上げの妥当性を数カ月かけて審査し、値上げ幅を圧縮した上で認可する見通し。

 ロシアのウクライナ侵攻に伴う燃料価格の高騰後、国の認可が必要な「規制料金」の値上げを申請したのは東北電が初めて。東北電としては13年以来の値上げとなる。電力大手10社のうち、これまで東北電を含む6社が値上げを表明または検討しており、今後も料金値上げの認可申請が相次ぐ見通しだ。

 東北電によると、主力の家庭向け料金プランを契約する標準家庭(使用量月260キロワット時)の場合、現在月8565円の料金が値上げ後は3割超増の1万1282円になる。対象となる家庭向け料金の契約数は約530万件。また、国の規制がない自由料金でも、家庭向け料金プランを23年4月から値上げする。

 電気料金には、燃料価格の変動分を料金に反映する仕組みがある。しかし、燃料高騰を受け、反映が可能な値上げ幅の上限に達しており、電力各社の業績は大幅に悪化している。東北電は22年9月中間連結決算で1363億円の最終(当期)赤字を計上した。

 申請時の料金は、燃料費や人件費などの原価に一定の利潤を上乗せした金額をもとに電力会社が算定したもの。東北電は、13年の前回値上げ申請時に比べて電力需要の減少を想定する一方、燃料費・電力購入費は約2倍の約1・3兆円と見込んだ。また、国の安全審査に合格している女川原発2号機(宮城県)は24年2月の再稼働を織り込んだ。東北電によると、女川2号機が再稼働すれば年間1000億円の収支改善効果があり、値上げ幅は5%程度圧縮できるという。

 今後は経産省が、有識者らによる「電力・ガス取引監視等委員会」で値上げ後の料金の妥当性を審査。コスト削減の余地がないかを精査し、値上げ幅を圧縮したり、将来的な値下げの条件をつけたりした上で認可する。審査期間は通常、4カ月程度かかる。【浅川大樹、土江洋範】

【円安と物価高】

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