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渡航移植、家族に問う覚悟

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五十嵐好乃さんが心臓移植を受けるための募金への協力を呼びかける父好秀さん(左)と母瑞美さん(右)=川崎市役所で2022年11月14日、高橋秀明撮影
五十嵐好乃さんが心臓移植を受けるための募金への協力を呼びかける父好秀さん(左)と母瑞美さん(右)=川崎市役所で2022年11月14日、高橋秀明撮影

 川崎市で11月14日、重い心臓病を患う五十嵐好乃(この)さん(10)の両親が記者会見し、米国で心臓移植を受けるための募金への協力を呼びかけました。円安の影響もあり、その必要額は過去例をみない約5億4000万円。子供の命を救いたい一心ですが毎回、募金活動を巡ってはSNS(ネット交流サービス)で、心ない言葉が飛び交います。サポートする「国際移植者組織トリオ・ジャパン」(東京都)の青山竜馬代表は言います。「ご両親に最初に問うのは、覚悟です」。その背景とは――。【デジタル報道センター・生野由佳】

SNS批判は「想定内」

 好乃さんは2021年5月に心臓の働きが低下する「拡張型心筋症」と診断され、9月に補助人工心臓をつける手術を受けた。現在は国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)に入院。米テキサス州の小児病院で心臓移植手術を受けるため、待機する。新型コロナウイルス禍で移植提供者数は減少し、国内移植が見通せないための決断だ。

 海外渡航移植を支援するトリオ・ジャパンは、父好秀(よしひで)さん(46)と、母瑞美(たまみ)さん(47)と半年以上前から、この日の会見に向けて準備を進めてきた。

 会見の報道を受け、SNSでは、「私財をすべて売り払えばいい」「親のエゴではないか」「人の死を待っているのか」――。罵詈雑言(ばりぞうごん)が絶えない。

 こうした批判は「想定内」だ。青山さんは言い切る。

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