時代の波越え再起へ 川原湯・1661年創業、老舗旅館「山木館」 ダム建設やコロナ、一時休業も /群馬

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12月に再開する老舗温泉旅館「山木館」の当主の樋田勇人さん=群馬県長野原町で
12月に再開する老舗温泉旅館「山木館」の当主の樋田勇人さん=群馬県長野原町で

 1661年創業の長野原町川原湯の老舗温泉旅館「山木館」が新型コロナウイルス禍の一時休業を終了し、12月に営業を再開する。八ツ場ダム建設に伴う移転も余儀なくされるなど、時代の波にさらされてきた。厳しい経営環境に耐えられるように人員を減らし、セルフサービスを取り入れて再起を図る。

 2010年に亡くなった先々代の13代当主、樋田富治郎さんは長野原町長を16年間務め、ダム建設反対から受け入れに転じた町政の最前線に立った。民主党政権が一時中止を打ち出す混乱もあったが、先代当主の洋二さん(75)は水没予定地の古民家や蔵を移築し、13年に山木館を移転した。その後もダム工事の騒音や土煙に悩まされた。

 現在の当主勇人さん(28)は19年に経営を引き継いだ。20年3月のダム完成と前後して直面したのがコロナ禍だ。20年の約2カ月半に続き、今年5月からも一時休業。閉館も頭によぎったが、常連客らから200万円以上の支援金が集まり、再開が決まった。

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