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NISAで資産所得は倍増するのか 盛り上がらぬ「貯蓄から投資へ」

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写真はイメージ=ゲッティ
写真はイメージ=ゲッティ

 政府は25日、岸田文雄首相が看板政策に掲げる「資産所得倍増プラン」の具体案を示したが、目玉は既に表明済みのNISA(少額投資非課税制度)の恒久化程度。これで本当に国民の資産所得は倍増するのだろうか。

首相、苦い記憶を払拭できるか

 岸田氏が「資産所得倍増プラン」の策定を打ち出したのは今年5月、外遊先のロンドンの金融街・シティーで行った講演だった。

 「安心して日本に投資してほしい。インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」。英国の投資家にこう呼び掛けた岸田氏は、約2000兆円の日本の個人金融資産を投資に誘導すると表明。「投資による資産所得倍増を実現する」と約束してみせた。

 政府は6月に閣議決定した「骨太の方針」にも、NISAや個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)の拡充など「資産所得倍増プラン」を明記。10月には具体案を検討する有識者を交えた分科会を設置して肉付け作業を進めてきた。

 「新しい資本主義」を掲げる岸田氏は、国民の目にみえる実例として「資産所得倍増プラン」を位置付けている。首相就任直後、自身の発言から市場に「岸田氏は投資家に冷たい」と受け止められ、株価下落を招いた苦い記憶を払拭(ふっしょく)したい思いもある。

 25日に示された具体案は、その成果だ。分科会に出席した岸田氏は「安定的に資産形成を行う環境を整備する。貯蓄から投資へのシフトを実現していく」と強調したが、NISAの拡充方針のほかに目に付くのは、イデコの加入年齢を現行の65歳未満から70歳に引き上げるという方針程度。市場を驚かせる「隠し玉」はなかった。

 果たしてこれで大丈夫なのか。…

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