特集

先週のピックアップ

日曜朝刊「先週のピックアップ」で取り上げた記事をまとめています。

特集一覧

池の水ぜんぶ抜くと…ノリ黒く? 「ため池県」復活、かいぼりの謎

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
かいぼりで魚取りを楽しむ子どもたち=兵庫県提供
かいぼりで魚取りを楽しむ子どもたち=兵庫県提供

 農閑期の冬場に、ため池の水を抜く「かいぼり(搔い掘り)」が復活しつつある。「水を抜く」といえば、外来種を駆除するテレビ番組が注目されたが、かいぼりはため池を浄化する農家の伝統手法だ。農業人口の減少で消えかけていたが、再評価したのは漁業者。かいぼりをすると、海で養殖するノリの品質が上がるというのだ。池の水がなぜ海に影響するのか。日本一の「ため池県」で、その謎を追った。

古墳時代にも築造

 ため池は農業用水を確保するために人工的に造成された池で、農林水産省によると全国に約15万4000カ所。その半数が温暖で降水量の少ない瀬戸内地域に集中している。

 兵庫県は約2万2000カ所で全国最多。中でも、淡路島は約1700年前の古墳時代前期の遺跡でため池跡が発見されるなど、古くからため池が造られてきた。

 「池干し」とも呼ばれるかいぼりは集落の共同作業だ。池底の泥は肥料として活用。取れた魚はつくだ煮や甘露煮などの保存食として重宝した。明治期にはため池でフナを養殖する業者もおり、終戦直後の食糧難でも貴重なたんぱく源となった。

 1970年代前後から、都市近郊の農地は宅地へと姿を変えた。兼業農家が増え、集落で共同作業する慣習が薄れた。農業用水としての需要が減っても、堤防の漏水点検のためにかいぼりは必要だ。だが、農家の高齢化で、近年はほとんど見られなくなっていた。

 復活の「助っ人」は漁業者だ。きっかけは2007年度。淡路島の農業用貯水池「河内(こうち)ダム」で改修工事のために水を抜いたところ、…

この記事は有料記事です。

残り1278文字(全文1921文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る
この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集