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第81期名人戦

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マスク不着用で反則負け 対局室で何が起きたのか A級順位戦観戦記

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佐藤天彦九段
佐藤天彦九段

 10月最後のA級順位戦対局となった▲永瀬拓矢王座―△佐藤天彦九段(ともに対局時1勝2敗)戦は、深夜にマスク不着用で反則負けの裁定が下るという史上初の決着となった。対局室で何が起きていたのか。関浩七段が棋士の視点から振り返った。

第1譜(1~42)

 ▲2六歩   △8四歩   ▲2五歩   △8五歩

 ▲7六歩   △3二金   ▲7七角   △3四歩

 ▲8八銀   △7七角成  ▲同銀    △2二銀

 ▲4八銀   △3三銀   ▲7八金   △6二銀

 ▲4六歩   △6四歩   ▲4七銀   △6三銀

 ▲3六歩   △7四歩   ▲3七桂   △4二玉1

 ▲6八玉   △7三桂   ▲2九飛   △8一飛

 ▲1六歩   △1四歩   ▲9六歩   △9四歩

 ▲4八金   △7二金2  ▲5六銀   △6二金

 ▲6六歩   △5四銀   ▲7九玉   △6三銀

 ▲8八玉   △5四銀1(第1図)

(持ち時間各6時間 消費▲0分△4分)

コロナ禍の悲劇

 10月28日に指された4回戦最終局の永瀬拓矢王座―佐藤天彦九段戦は前代未聞の終局を迎えた。本紙の速報や続報により多くの読者が経緯をご存じのことと思う。深更の終盤戦で佐藤がマスクを外して対局を続行。それがコロナ禍で将棋連盟が定めた「臨時対局規定」のマスク着用義務に違反するとされ、佐藤に反則負けの判定が下された。

 だが、それで落着したわけではなかった。同規定には「不服申し立て」の条文も盛り込まれており、佐藤は後日、連盟の常務会に判定の取り消しと対局のやり直し、さらには臨時対局規定の修正などを求めて提訴した。

 つまり、本稿の執筆時点では、最終決着はしていない。本件は長引くコロナ禍における悲劇としか言いようがなく、どう落着するにせよ、味の悪さは否めない。

 ここでは、対局当日の朝に時間を戻し、2人が心血を注いで戦った最先端の角換わり戦を振り返ることにしたい。

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