中国の圧力に「慣れ」? 台湾地方選で大敗、与党の外れた思惑
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26日に投開票された台湾の統一地方選で、与党・民進党は焦点の21県市の首長選で5勝と惨敗し、蔡英文総統は党主席(党首)を引責辞任した。大勝した対中融和路線の野党・国民党は2024年総統選に向けて弾みをつけた。台湾統一を目指す中国の習近平指導部が総統選に向けて民進党への圧力を強めるのは必至だ。なぜ与党は大敗したのか。統一地方選の結果は総統選の情勢に影響を及ぼすのか。
「台湾の人々の決断を謙虚に受け止めたい」。蔡氏は26日夜の記者会見で深々と頭を下げ、党主席を同日付で辞任した。総統職にはとどまるが、求心力の低下は避けられない。
首長の現有ポストは民進党7▽国民党14▽無所属1。投票の結果、民進党5▽国民党13▽第三勢力の台湾民衆党1▽無所属2となった。嘉義市は候補者1人の急死で市長選が12月に延期された。統一地方選が現行の形式になった2014年以降で民進党の勝利数は最少だった。
中でも重要な6直轄市で国民党は北部の台北、新北、桃園、中部の台中の計4市で勝利した。台北市長選では蔣介石のひ孫で元立法委員(国会議員)の蔣万安氏(43)が初当選を決め、8年ぶりに同市長ポストを奪還した。民進党は現有の3市のうち台南、高雄は死守したが桃園を落とした。
長年にわたり政権を握った国民党は地域の有力者らとの関係が強固だ。対中政策が争点となる総統選と違って、地域の政策課題などがテーマとなる地方選では地力を発揮する。今回の選挙では新型コロナウイルスのワクチン調達をめぐる問題や経済政策など、蔡政権の施策を非難。有権者の不満の受け皿となった。
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