特集

歌舞伎

歌舞伎ファンの皆さんへ、人気俳優のインタビューや最新ニュース、担当記者による舞台評などをお伝えします。

特集一覧

艶やかに

尾上菊五郎聞き書き/32 菊五郎襲名/4 披露興行はおおむね高評価

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
菊五郎の「助六曲輪菊」の助六=1973年11月、歌舞伎座、松竹提供
菊五郎の「助六曲輪菊」の助六=1973年11月、歌舞伎座、松竹提供

 1973年10月2日の31歳の誕生日に、「尾上菊之助改め七代目菊五郎襲名披露 十月大歌舞伎」は歌舞伎座で初日を迎えた。

 襲名にはつきものの贔屓(ひいき)へのあいさつまわりもした。当時の毎日新聞には、同年7月から9月までの3カ月間に約1000軒をまわったとある。「番頭さんと同道で、配り物を持って東京はもちろん、京都、大阪でも朝から晩まで家をまわりました」。失礼だからと、相手には訪問を知らせないのが慣習。在宅まで何度でも訪ねる。初日が開いてからは、夜の部の「襲名披露口上」の前に先輩俳優の楽屋をあいさつにまわった。「当時は先輩だらけ。『お願いします』と頭を下げ通しで疲れました」

 昼の部の「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」の弁天小僧を演劇評論家の三宅三郎は「およそ女形として育ってきたが、父の梅幸とは異なり、強靱(きょうじん)で、積極性もあって芸格もわりあいに大きい。しぜん立役に豊かな可能性をもっている」(「演劇界」73年11月号)、夜の部の「京鹿子娘道成寺」を同・戸部銀作は、「新菊五郎は華やかさがあり、清姫の性根という点で不足があっても、さすがに役者の踊り…

この記事は有料記事です。

残り841文字(全文1331文字)

【歌舞伎】

時系列で見る

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集