刀匠の弟子は「丁稚奉公以下」か 原則無給の修業条件が意味するもの

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刀の切っ先になる部分を鍛える工藤さん=群馬県桐生市梅田町2で2022年11月14日午後1時8分、野原寛史撮影
刀の切っ先になる部分を鍛える工藤さん=群馬県桐生市梅田町2で2022年11月14日午後1時8分、野原寛史撮影

 東京・上野の東京国立博物館で開かれている特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」。その目玉で連日観客の人だかりができているのが、国宝の刀19件が一堂に並ぶ「刀剣の間」だ。ゲームなど娯楽作品の影響で若者世代にも人気が高まる日本刀だが、刀を作る刀匠の数は年々減少傾向で、その弟子の数も同様だ。そんな中、ある現役刀匠がツイッター上で発表した弟子受け入れの条件が「丁稚(でっち)奉公以下」と激しい批判も呼んだ。日本を代表する伝統工芸の継承の現場を追った。

発端のツイート

 <拡散希望です。弟子志望の人はおりませんか?>

 7月末。群馬県桐生市の山間部に鍛刀場(たんとうじょう)を構えて17年の刀匠、工藤将成さん(45)が、弟子受け入れの条件をツイートした。市内にアパートなどを借りての通い修業で、基本は10年間。銃刀法の規則に基づき5年の修業で受けられる、文化庁主催で事実上の実技試験となる「美術刀剣刀匠技術保存研修会」を突破して作刀承認を受け、その後も一人前になれるまで師匠の下で修業するというものだ。授業料は不要だが原則無給で、作刀承認後は「鍛刀場の利益に寄与するだけの働きに対しては対価を払う」という。

 ツイートは3万6000リツイートされ、5万4000の「いいね」が付いた。「志を持った未来の職人が現れますよう」「伝統を守るのは大変」と応援するツイートが多数寄せられる一方、刀匠の現状を知らないとみられるユーザーから「原則無給」などの条件について「時代錯誤だ」「技術は継承されてほしいがこれはない」と激しい批判も相次いだ。

 しかし、この条件は現在の刀匠の修業条件としてはごく普通のもので、刀匠でつくる全日本刀匠会が案内している弟子入りの目安とおおむね同じだ。フリーランスで収入が安定…

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