23年度税制改正 エコカー減税縮小 その先に待つものとは
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地球温暖化対策の下で世界的に「脱ガソリン車」の流れが加速する中、ガソリン車を前提に徴収してきた自動車関連の税制が根本的な見直しを迫られている。環境性能の高い車は減税対象のため、税収の減少を懸念する声も。脱炭素社会にふさわしい税制の姿は見えてこない。
減税対象を厳格化
今月中に決着する2023年度税制改正。焦点となっているのがエコカー減税の見直しだ。エコカー減税は、燃費性能が良い自動車の税負担を軽くする制度。車体の重さに応じて課税する自動車重量税を軽減している。現在は、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、クリーンディーゼル車(CD)などは免税、ハイブリッド車(HV)やガソリン車は燃費基準の達成度合いに応じて税負担を軽くしている。
現行のエコカー減税は23年4月に期限を迎える。このため、23年度税制改正で見直しを図る必要がある。ただ、半導体不足の影響で新車の納車に時間がかかっているため、政府・与党は、現行基準のまま一時的に延長する方針を固めた。延長期間は数カ月となる見通しだ。
延長後の新しいエコカー減税はどんな制度になるのか。宮沢洋一・自民党税制調査会長は「燃費基準をさらに厳しくすることで環境性能の高い車を応援する」と話しており、減税対象を絞り込む構えを見せる。CDを免税対象…
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