歯ぎしりにも意味がある? 研究歴25年の教授が探す「スイッチ」

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歯ぎしりのメカニズムを研究する加藤隆史・大阪大教授=大阪府吹田市の大阪大で2022年11月10日午前11時15分、柳楽未来撮影
歯ぎしりのメカニズムを研究する加藤隆史・大阪大教授=大阪府吹田市の大阪大で2022年11月10日午前11時15分、柳楽未来撮影

 なぜ人は、寝ているときに歯ぎしりをするのだろうか。これまで、歯や顎(あご)の負担など負の側面が強調されてきたが、近年は健康維持に役立つ可能性も浮上している。大阪大大学院歯学研究科の加藤隆史教授は、いまだメカニズムに謎の多い歯ぎしり研究の第一人者だ。謎を解く鍵は「歯ぎしりスイッチ」にあるとみて、探究を続けている。

 「なんと奇妙な現象なのだろう」。1990年代中ごろに開かれた国際会議でのことだ。当時、阪大大学院生として咀嚼(そしゃく)を研究していた加藤教授の目は、会場のモニターにくぎ付けになっていた。そこには、眠っている人が歯をガリガリと鳴らしている様子が映し出されていた。当時、歯ぎしりの研究で世界を先導していたカナダ・モントリオール大の研究者の発表だった。

 人は普段、特に意識しなくても口に入れたものを適切な力でかみ砕くことができる。もちろん、起きている時に歯ぎしりはしない。「普段は調節できているはずなのに、寝ると歯ぎしりをする。それも一部の人だけ。一体なぜ、という素朴な疑問を持ちました」。大学院修了後の98年、モントリオール大に留学。あの会議で成果を発表した研究者に師事した。以降、睡眠と歯ぎしりの関係について研究を続ける。

奥歯のかむ力は体重くらい

 では、これまで歯ぎしりについて何が明らかになっているのだろうか。

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