お米をプラ原料に 原発被災地の休耕田活用 CO2削減で注目、製品さまざま 浪江に製造工場 /福島

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コメを使ったプラスチック素材「ライスレジン」で作られた製品。スプーンやフォーク、玩具、クッション材やごみ袋などこれまで800種ほどの製品が生まれたという=福島県浪江町の「バイオマスレジン福島」浪江工場で2022年11月30日、尾崎修二撮影
コメを使ったプラスチック素材「ライスレジン」で作られた製品。スプーンやフォーク、玩具、クッション材やごみ袋などこれまで800種ほどの製品が生まれたという=福島県浪江町の「バイオマスレジン福島」浪江工場で2022年11月30日、尾崎修二撮影

 プラスチックごみの削減が世界的に求められる中、非食用の国産米をプラスチック原料にする動きが注目されている。休耕田の活用にもつながり、新潟県や熊本県などで取り組まれてきたが、東京電力福島第1原発事故で休耕田が激増した福島県の浜通り地域でも動きが本格化しており、浪江町で製造工場が稼働した。【尾崎修二】

 原発事故に伴う避難指示が2017年に解かれた浪江町の産業団地で11月30日、バイオマスプラスチック製造会社「バイオマスレジン福島」(本社・同町)の工場の竣工(しゅんこう)式が行われた。閉式後に製造ラインが動き出し、コメを焼いたような香ばしい匂いがほんのり漂った。通常のプラスチック原料になる樹脂とコメを加熱しながら練り上げ、成形後に淡い褐色の粒(ペレット)が次々と出来上がった。

 同社はこの粒を「ライスレジン」として売り、複数の取引先によって箸やスプーン、ごみ袋、玩具など約800種の製品に加工される。

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