笹子事故10年、心の傷深く 息子失った両親、今も動画見られず トンネル板崩落、原因究明・再発防止願う

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笹子トンネル事故で亡くなった小林洋平さん=両親提供
笹子トンネル事故で亡くなった小林洋平さん=両親提供

 中央自動車道笹子トンネル(山梨県大月市)の天井板が崩落して9人が死亡した事故は2日、発生から10年を迎える。亡くなった小林洋平さん(当時27歳)の父寿男さん(75)、母悦子さん(73)=群馬県高崎市=は、他の遺族らと事故原因の究明や再発防止を訴えながら一歩ずつ元気を取り戻してきたが、事故前の息子の様子を収めた動画は今も見ることができない。いつか、在りし日の息子の姿を見られる日が来ることを願っている。

 「おおらかで人懐っこい。友達がたくさんいた」(悦子さん)という洋平さん。会社勤めをしながら暮らす東京都内のシェアハウスで、友人たちをコーヒーでもてなし、部屋は「コバカフェ」と呼ばれていた。悦子さんは息子から、仲間との生活を聞くのが楽しみだった。ところが10年前の12月、シェアハウスの仲間と山梨県の温泉に行った帰りに、乗っていたワゴン車が天井板の下敷きになり、乗っていた6人のうち洋平さんら5人が亡…

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