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12月に入り、街はクリスマス一色ですね。今年は「宗教=カルト」みたいな公式も広まったけど……。そもそもカルトって? 辞書でまず出るのは、「崇拝」とか「熱狂的支持」といった意味。マニアが熱烈に好きな映画や音楽を「カルト的人気」なんて言ったりも。この社会でのカルトとは結局なんなのか、お坊さんと掃き掃除をしながら考えました。【オピニオングループ・鈴木英生】
先日、東京タワーにほど近い浄土真宗本願寺派寺院、光明寺で昼寝ならぬ朝寝をした。この寺は、鉄筋コンクリート造りの本堂2階にあるテラスでカフェを開いたり、境内の建物にコワーキングスペース(共有オフィス)を設けたりしている。檀家(だんか)以外にも開かれた寺として、その筋で知られている。
朝寝をしたのは、同寺の僧侶、松本紹圭さん(43)に「掃除をしに来ませんか?」とイベント、Temple Morningに誘われた結果だった。朝7時半に本堂で読経してから境内を掃き掃除、その後にテラスで雑談をして終了。約1時間を経て、朝の光が暖かすぎた。そのままソファでうとうと……。
松本さんとは、この10日ほど前、JR新橋駅前にある高度成長期に建った大規模雑居ビルで初めて会った。ビル内の赤ちょうちんに、平日の昼間から背広姿がちらほら。地下の純喫茶は、クリスマスの装飾がファンシーである。客はおっさんばかりだが。
店内で、ニット帽をかぶりカジュアルな洋服姿の松本さんが、米アップル社のノートパソコンを開いていた。東京大で哲学を学んだ後、僧侶となったうえで経営学修士(MBA)を取った人物だ。各国政財界指導者が集まる、スイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にも参加している。そんな松本さんに、聞きたかった。この社会におけるカルト、その本質は?
松本さんは…
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